LYRICS
「 灯火 」
七色の灯
この空がまた滲む 雲に隠れた祈り
吹き荒れる風の音 窓を揺らす
真っ暗に閉ざされた時間と共に
この旅はまだ続く 行き先を見つめ
真実を知りたくてずっと歩いた
降り出した雨もまた すっとかわして
きっとここはまだ途中なんだよ
描いていた風景を思い出していた
増えすぎた鈍色に絵筆を重ねる
雲間から溢れていく 七色の灯
いまもまだ夢は変わっていないよ
踏み出したあの場所を忘れないで
瞬き
辺りは静かになって 一人になっても
何も分からない
冷えた心なら見飽きているから
その目を閉じてしまった
今日も明日も明後日も
相当数の言葉で誰かを傷つけたとしても
同じことを繰り返すのかな
灯りを消してみえた君の想いが
少しづつ解ける
君がくれた約束も
遠くへ行った記憶がこの胸の中にあるから
いつだって側に居られるよ
いつかの大事にしまった景色や
君が零した涙も
夜空の中で瞬いている気がするよ
時が経てば
僕だって変われるかな
失くした未来を取り戻して
凍える昨日を引き裂いて
僕だけをそっと見ていてくれる
そろそろいい加減歩き出すから
変わっていくこの世界で
変わらない君のその姿に
会いにいくよ
雫
それはまるで機械のよう 空は遠く
歩けないままで土に埋まり 目を閉じる
飛び出して側に来たと目を見ずに喋る
振り返って自分の場所を探しても
見付ける術もない
此処で人を待っているって どれ位経った
降り出した雨と風が身体に染みるよ
懐かしい香りに目を開くと 苦しい程
日が射した時間の意味を求めて移ろう季節
雫集め 朝まで静かに時を待つ
身を潜めて願うものはたった一つ
雫集め 朝まで静かに時を待つ
身を潜めて願うものがいつの日か
僕の歩く道を誰か教えてよ
身を潜めて願う先には人の影
何処かで見たような誰かに似ている
翠
君の息づかいが聞こえる場所にいたい
街の一部よりも 僕だけの世界で
その掠れていく空に 想い馳せるよ
君もどこかで気付き始めているはずだから
君は何処へゆくの 足跡も残さず
当たり前のことから目に見えないものになる
空は灯をともす 声も届かない頃に
そして
置き去りにされた行き場のない不安が
ただ祈ることに影を落として
知らなかったこと 知ったふりをしていた
いくつもの季節が通り過ぎたら
また会えるかな
僕は何処へ行こうか 足跡は残さず
両手に抱えた荷物も置いてゆくよ
部屋に隠していた 伝えられない想いも
いつかその場所で 誰かに伝わればいいから
水平線
夕べあんなに言葉を探して
見つけて何度も繰り返したはずなのに
馬鹿みたいに知れた問いかけ
答えもほとんどが予想つくものばかり
一体どんな話をすれば
ひとつだけの本当が伝わるのだろう
今は君が迷わないように
側に居て笑っているよ
そして続く沢山の憧れ
そのどれもが痛いほど響いている
近くで遠くを見つめる君は
何を思って優しくそっと微笑むの
一体どんな話をすれば
ひとつだけの本当が伝わるのだろう
今日がまた何も変わらずに
痛みは増えていく
一体どんな話をすれば
ひとつだけの本当が伝わるのだろう
僕が出来ることは何もないけど
信じていいよ
思い付く限りを話し終えて
それでも本当が伝わらなくても
君がずっと迷わないように
いつだって笑っているよ
煉瓦の坂道
日差しが転がる坂道を
寝ぼけた顔して歩いている
寄り道とかしながら
向こうの角を曲がったら
ひらひら春が舞っている
そんなことを考えて
砕けた時間をまだ思い出しているの
こんなに晴れた日々を無駄にして
冷たい風がまた頬をかすめる
行き先なんて告げないんだよ
重たい心を引き摺って
どうにか笑っている今を
笑えるぐらいに壮大な
くだらない夢に誘って
見下ろす街の影と輝きの中に
途切れた道の続きを探していた
離れて霞む人の足音の側で
優しい声が響く
たった一つの言葉が ああ
こんなに世界を変えるなんて
そうだ 掴んだ手を今離してみるよ
本当に大事なものが分かるかな
二度と戻れない時を一緒に渡ろう
他の誰も知らない終わりを越えて
クリスタライズ
君と見た景色が嘘みたいに輝いている
いくつもの場面が
一つの結晶みたいに集まって
笑い声が聞こえる
何処に居ても満たされたら
きっと僕にとって新しい居場所なんだろう
知らず知らずに
忘れていく 君の姿や声も
彩られた未来の一欠片になっていく
描き始めたんだ
七色に塗り重ねるから
真っ白なところは少しずつ減っていくけど
それもいいな
忘れていく 君の姿や声も
彩られた未来の一欠片になるよ
遠く遠く響け
この心が君に届けばいいな
少しずつ霞んでいくこの景色に
そっと寄り添って
忘れていく 君の姿や声も
彩られた未来の一欠片になるよ
遠く遠く響け
この心が君に届けばいいな
届くといいな
君と見た景色が嘘みたいに輝いているよ
砂の城
迷い立ち尽くしたその場所は
日差しの届かない闇の国
淡い喜びに体を預けても
空しさだけが残る
人は皆 もう一つの声を探して
日向に見える世界を彷徨う
旅立った事すら忘れてしまった
咲き誇る花に目が眩む
誰よりも頑なに描いていた行方
この果てしない迷路はどこまで歩けばいい
見えないものは周りじゃなくて
独りだった
拾い上げたのはいつだっただろう
誰かが落っことした古い地図
気が付けば掴み取っていた
染み付いた紙切れ
まるで影の形に沿うよう
いつでもたった一人側で待っていたんだ
目を閉じる夜でも呼びかける光
水の枯れた小さな声
誰よりも曇りなく見つめていた未来
築き上げた砂の城の前で誰も近寄らせない
そうやって身を守ってきた僕だけど
まだ間に合うかな
諦めていた小さな願いの数だけ
そっと抱き寄せてみる
すれ違う事もあるけど
ここからきっと生きてゆける
窓ひとつない洞窟の中を歩かせたのは自ら
たとえそこで倒れたとしても
いつかは大切なものを気付かせるよ
その場所に意味はなくても
ミナモ
水際ではしゃぐあの子供達が
ちょっと羨ましくて 寂しくて
いつもそうだった 遠巻きに見て
一人で作った夢と遊んでいた
眺めるだけの水面に
僕の姿が揺れている
結果なんて誰にも分かる訳がないなら
根拠なんてなくても声を出すよ
見えない不安に気付いてしまっても
もうこの両足は踏み出している
手を伸ばせば届くかな
画面いっぱいの水面に
細波が広がっても
日々が全てを消し去っていく
与えられた時のそのほとんどを
使い果たした後だって構わないから
諦めたはずだった幼い頃の想いが
鏡の中に浮かぶ僕の姿に触れる
他には何も無いけど
この気持ちだけを持って
飛び込んだ水面が僕の姿を見つける
碧空
ずっと歩いていた 道なりに迷わず
それだけが自慢できるたった一つの話
荷物を抱えていた その腕に余るほどの
人に見せていた笑顔でいつも後悔してた
飛び出してすぐに帰り 両手はまた泥まみれ
洗っても洗ってもきりがない そんな毎日
世界が逆さになる いつもの曲がり角で
気がつけば空が遠くなっていた
君は手ぶらだった 荷物も落としたんだ
けれど 誰も見てない笑顔は自然だった
嘘みたいにひと際輝く綺麗な場面だとか
そんなもの何一つ無くていい
碧の空が白い月と貝殻を纏った
暗闇が突然教えてくれた虹色の雲
名前は何て言ったかな
飛び出してすぐに帰り 心はまた傷だらけ
それでも それでもきっと好きなんだ
君は考えた 誰に何を言われても大丈夫
何処からか朝が始まる音
夢は続く
夢は机の上で